本書、ビジョナリーカンパニー2は、前作ビジョナリーカンパニーの続編で、シリーズ全5作の2つ目になります。
有名な本書で1より2の方が高評価ですが(映画と逆ですね…)、前作と何が違うのか?
それは、1の趣旨「永続する企業の特徴は何か?」
に比べ2は「普通の企業が偉大になるには何が必要なのか?」
を趣旨としている点です。
偉大になる会社は何が違うのか?
著者の緻密な調査は、本作を「経営者の必読書」と呼ばれるまで有名にしました。
著者はどんな人?
著者はジェームス・C・コリンズ。ビジョナリーカンパニーシリーズの著者として有名。他にもコンサルタント、企業役員の顔も持つ。スタンフォード大卒。米国人。
この本が伝えたいこと
普通の会社から飛躍して偉大になる会社の特徴を分析して伝えてくれています。
もちろん、これらをそっくりコピーすれば良いわけではありません。
優れた経営者とビジョンがあり、組織文化や経営戦略が良くても、
外部環境つまり市場や顧客、更にはPEST環境に逆風が吹いていたりすると、
偉大な会社になるのは難しいでしょう。
偉大な会社は時勢も味方につけることができた。
そう思って読むことが大事です。
こんな人に読んでもらいたい
経営者の方、これから起業する方には絶対に読んでもらいたい一冊です。
また、普通のサラリーマンの方も、「自分の会社は良い会社なのか」を測る指標にもなるので、お勧めです!
内容を簡単にご紹介
大まかに伝えると、偉大になる会社は、以下の条件を備えていることが多いです。
- 第五水準の経営者がいる
- 針鼠の概念を持つ
- 弾み車のように根気よく進むこと
「第五水準の経営者」と言われてもなんだか分からないと思います。
ビジョナリーカンパニーシリーズ特有の考え方で、「普通に有能な経営者」を第四水準の経営者と定義しているのですが、「それを上回る経営者」を第五水準と呼んでいます。
第五水準とは、「個人としての謙虚と職業人としての意思の強さを兼ね合わせる経営者」と定義されています。
つまり、目立つことに興味が無く、個人の名声も求めないが、全てを会社に捧げられる人のことですね。
普通に優秀なだけでは、それより下の「有能な経営者」止まりとなります。
図解:第五水準の経営者
それでは、「針鼠の概念」とは何か?
「賢いキツネと針鼠」の寓話に端を発しています。
キツネは針鼠を捕まえるために、あの手のこの手の策を弄します。
しかし、近づくと針鼠は丸まって、キツネを撃退します。
「複雑な作戦よりもシンプルな必勝法」を身に着けている針鼠の方が、毎回勝つという例えです。
御社の針鼠の概念は何ですか?
ここを理解している企業は強いです。
最後の「弾み車のように根気よく」進むとは何でしょうか。
結局粘り強く前にちょっとずつ進んだ企業が最強ということです。
一瞬で偉大な会社になる魔法はなく、愚直に物事を進めていった結果、いつの間にか偉大な会社になっている。
本人たちも「え!?毎日同じことをやってただけだよ!」と驚くかもしれません。
会社に全てを捧げる第五水準の経営者が、針鼠の概念を見出し、それを弾み車のように毎日続けると、偉大な会社になるということなのですね。
読んでみての感想
ビジョナリー・カンパニーシリーズ、まだ先が長く、3、4、ZEROとあります。
2はその中でも最も有名な一冊ですが、読むと「自分は第五水準の経営者か?」
「うちの針鼠の概念は何だろう?」と会社を見る目が変わります。
3以降はどんな内容なのでしょうか。期待しかないです!