本書は、私がMBA受講時に講義で猛烈に進められたものです。騙されたと思って手に取った本ですが、企業人として考え方が大きく変わりました。
自社もビジョナリーカンパニーにしたい。そう思わせてくれる一冊です。
著者はどんな人?
著者はジェームス・C・コリンズ。ビジョナリーカンパニーシリーズの著者として有名。他にもコンサルタント、企業役員の顔も持つ。スタンフォード大卒。米国人。
この本が伝えたいこと
長期間成功する企業は、「経営理念を中心とした価値観」により、高い求心力を保っている。
これにより、経営者が代替わりをしても、業績が落ちることはない。
著者が一番伝えようとしているのはこの点です。
本当に強い企業というのは、特定の人間に依存するのではなく、人が変わっても成長する。強い人間がいるのではなく、組織自体が強い。
この主張は目から鱗でした。
こんな人に読んでもらいたい
経営者、起業家、マネージャー、或いはこれから就職する学生の方々に読んでもらいたいです。
「強い理念で高い求心力を保つ企業は、人が入れ替わっても長期間成長する」という主張の論拠を学べるので、強い会社作りをしたい経営陣の方々はもちろん必読書ですね。
また、これから就職活動する方は、「どんな会社に就職するべきなのだろう?社風や居心地の良さは何で決まるのだろうか?長期的な成長性を持っていそうな企業はどのようなところなのか?」という思考回路を養えます。
ちなみにですが、私は新規取引先のホームページを必ず見て、経営理念の内容を確認するようにしています。
その会社の経営陣は何を考え、会社をどのように持っていこうとしているのか?を伺い知ることができるからです。
これも、本書から得られた大きな学びの一つです。
内容を簡単にご紹介
- 経営理念を浸透させること
- 基本理念と会社に対するカルト的信者を増やす
- 偉大な目標「BHAG」を持つ
- 内部昇格の経営者を用いる
経営理念の強固な浸透により、従業員を「カルト的な信者」に仕立て上げることが重要と説いています。
実は、「経営理念の内容は何でも良い。どれだけ浸透し信じられているかが問題だ」としています。
理念を信じ会社のファンになることで、同じ価値観を共有し、団結力を高める。同じ目標に向かって仕事をする。このような強い企業を作るべきと著者は述べています。
その中でも、BHAG(偉大なる目標)を設定すると更に良く、例を挙げるとケネディ大統領がぶち上げた「人類を月に送ろう」という目標が、アメリカ中の人を同じ目標に向かって団結させたような、強い組織の原動力になります。
これらの施策を実行するには、その会社の理念を理解していている内部昇格者(あるいは創業家出身者)をトップに据え、理念からブレない経営をさせることも行われています。GEの歴代社長が、2018年に初めて社外出身のローレンス・カルプをCEOに指名するまで、みな生え抜きであったことは有名ですよね。
図解:経営理念を中心とした強い会社
読んでみての感想
感想はもう「経営者としてのバイブルに出会った」しかないですねぇ…(大げさ)
理念ドリブンの企業を作るとこうなる。沢山の企業例を勉強させてもらいました。著者のコリンズ氏には感謝ないです。