ドリルを売るには穴を売れ

本書は、私がMBA受講時にマーケティングの講義で勧められた本です。危機に陥ったイタリアンレストランを舞台に、「マーケティングとは何か」を説く内容となっています。私も本書を読み、マーケティングの巧拙がいかにビジネスに影響するかを痛感しました。

ドリルを売るには穴を売れ

著者はどんな人?

著者は佐藤 義典。早稲田大学卒業後、NTTでの勤務を経て、米ペンシルベニア大学ウォートン校にてMBAを取得。経営コンサルティング会社ストラテジー&タクティクス株式会社の代表取締役社長として活躍。無料映画マーケティングメルマガ「売れたま!」の発行者としても知られる。著書に「ドリルを売るには穴を売れ」「売れる会社のすごい仕組み」「白いネコは何をくれた?」など多数。

この本が伝えたいこと

「マーケティングがいかに大切か」「商売をするならマーケティングをきちんとすること」を、イタリアンレストランを巡る登場人物たちの口を借りて説いています。

なぜこのイタリアンレストランは客が来ないのだろう…

料理の味は決して悪くないのに、なぜ繁盛しないのだろう…

これらの問いを通じて、レストランは味だけじゃない!という気づきを与えてくれました。

 
ジンベイ
音楽や美術も技術が高いだけではだめ!と良く言います

こんな人に読んでもらいたい

やはり一番はマーケッターの方に読んでもらいたいですよね。

文中にも、売れっ子マーケッターが登場します。

彼のセリフの一つ一つが、マーケティングの教科書にそのままなると言っても過言ではありません。

内容を簡単にご紹介

「売れないイタリアンレストランをどうやって再生しようか?」をマーケティングの切り口から展開する物語構成になっています。

セグメンテーション/ターゲティングや4Pといったマーケティング・ミックス、顧客のベネフィット(要は顧客ニーズですね)、差別化の手法について、丁寧な解説がされています。

マーケティング・ミックス

どの顧客をターゲットにするのか?

イタリアンレストランであれば、サラリーマン/主婦/家族連れなどの属性セグメント、若手/中年などの年齢セグメント、男性/女性といった性別セグメントがあります。

自分のターゲットは誰なのか…?ここが決まらないと、次の施策が決められない。マーケティングの一丁目一番地ですね。

そこに合わせ、4Pを設定します。

  • Product(製品)
  • Price(価格)
  • Place(流通チャネル)
  • Promotion(広告宣伝)

正しい4Pを決定することで、ターゲット顧客に対し正しいアプローチが出来ます!

図解:セグメンテーション・ターゲッティング・4Pの仕組み

顧客のベネフィット

顧客はその製品に、機能を求めているのか(正確な時計、見やすいスマホなど)、情熱を求めているのか(華美な製品、所有欲、他社への優越感など)、2通りのベネフィットに分かれます。

  • 機能的ベネフィット:
  • 情熱的ベネフィット

差別化

これらの顧客ニーズを満たすために、4Pの展開を手軽軸・商品軸・密着軸の3つから選びます。

3つの軸は「顧客の何のニーズにアピールするか」を決めるものです。つまり差別化の要素であることから、全部カバーしようと思ってはいけません。

高いのか?安いのか?ハイクラスなのか?特別感をもたらすのか?日常的/非日常的のどちらなのか?

はっきりしないと、却ってぼやけて、作中のイタリアンレストランのように閑古鳥がなくことになります。

 
ジンベイ
日頃忘れてしまっているマーケティングの基本を思い出させてくれました

読んでみての感想

久しぶりに、ゴリゴリの「ザ・マーケティングの教科書」的な本に出会いました。

新人の時に出会っていれば、私のマーケティング成績も変わっていたのではないか?と思いました(^-^;

是非、これからマーケッターを目指す方、既にやられている方、どちらも一度は手に取って損はないと思います!