ストーリーとしての競争戦略

ビジネス書籍の紹介を始めたジンベイです!よろしくお願いします!企業経営者、CFO・COO・CTOなどのCxO、マーケッター、経理、人事、生産管理などあらゆるビジネスマン向けに私がこれは!と思うお勧めのビジネス書籍を紹介していきます!拙稿ですが、ご一読いただければ嬉しいです<(_ _)>

ストーリーとしての競争戦略

著者はどんな人?

著者は楠木 建さんです。一橋大学大学院の経営管理研究科で教鞭を取っていた経営学の専門家であり、 幅広い知識と鋭い考察による文章展開をされています(本人は「自分は学者であり経営者で はない」と言っています)。著書は「ストーリーとしての競争戦略」 「逆・タイムマシン経営論」など多数。

この本が伝えたいこと

「競争優位性を確保するための要素は、部分最適だけを考えバラバラに検討するのではなく、一気通貫したストーリーとして組み立てなくてはならない。」

著者が最も伝えたいことはこれですね。ビジネスは総合格闘技です。「良い製品を持っている」とか「市場開拓が出来ている」「素晴らしいオペレーションを実現している」が全て一つの戦略で繋がり、ストーリーとして語れるようでないと意味がないと主張しています。

 
ジンベイ
部分最適だけでなく、全体最適を考える必要があるんですね

こんな人に読んでもらいたい

本書を読むことで「企業の競争戦略は、こんなに細部まで繋がっているのか」「企業のドメインからオペレーション、組織づくりまで全体が繋がっていなければならない」と気づきを得られます。このことから、経営者、マーケッター、その他管理職におられる方々、将来独立しようとしている起業家まで読んでおいて損はありません。アトツギ経営者である私は、自社の経営戦略を見つめ直すきっかけとなりました。

内容を簡単にご紹介

  • 会社のドメインをどこに持ってくるか
  • オペレーションをどこまで極めるか

内容は大まかに分けてこちらの2つとなります。

「会社のドメイン」とは「何の業態か」ということですね。居心地良く稼ぎやすいドメインか、そうでないかの分析は、ファイブフォース分析などで良く行われますね。

図解:ファイブフォース分析

「オペレーションを極める」とは、そのドメインの中で、なるべく熟練度を上げることを指します。

例を挙げると、トヨタ自動車などは、自動車メーカーとしてのドメインの中で、「カイゼン」「かんばん方式」など他者の真似にできないオペレーションを実施しています。トヨタと似たようなラインアップを持つ自動車メーカーは多いですが、同じレベルまでオペレーションを極めているところは無く、トヨタの競争優位性の根幹と言えるでしょう。

つまり、競争戦略とは「なるべく競争をしない戦略」と「競争して勝つ戦略」の2通りに分けられると筆者は主張しています。基本的には前者、ファイブフォース分析の中で、「競争しなくても済むドメイン」を選び、そうでない場合は後者、「競争相手のいるドメインであっても、オペレーションを強くする」を選ぶとしています。もちろんトヨタ自動車のような、オペレーションで勝ち続けている猛者もいますが…(^-^;

 
ジンベイ
この本を読んで、私も「いかに競争しないか」に焦点を置くようになりました

読んでみての感想

僭越ながら私(ジンベイ)の感想を付記すると…

個人的には、いち経営者として、読んで役に立った本(現時点で)ベスト5に入ります。そのくらい面白いです。Amazonや楽天の書評も高得点ばかりなのもうなずけます。色々な企業の具体例が掲載されていて、業界知識を広げるという面でも良書であると思います。皆さん、是非本書を手にとってみてください。読み終わるころには、見える世界が変わっているはずです。