本書は、ハーバード・ビジネススクールの教授であるクレイトン・クリステンセンによって書かれた「破壊的イノベーション」についての有名な書籍です。
「破壊的イノベーションは時間を掛けて従来型の製品を駆逐する」ことをロジカルに説明したもので、1997年に発表された当時一世を風靡しました。
27年前に書かれたものでも、市場と製品の変化について本質を突いた内容であることから、全く色褪せず、経営者の必読書となっていますね。
著者はどんな人?
著者はクレイトン・クリステンセン。1952年生まれの米国人。ハーバード・ビジネススクールの教授、経営コンサルティング会社であるイノサイトを共同で設立。代表作は本書「イノベーションのジレンマ」。
この本が伝えたいこと
あらゆる企業は、優秀な経営者が優秀なチームを率いて経営をし、既存製品の改善を続けるため「正しい努力」をすることで、持続的イノベーションを目指します。
しかしそれでも、下位市場からやってくる破壊的イノベーションに市場を奪われてしまうということが起こります。
著者が伝えたいのはこの一点ですね。
こんな人に読んでもらいたい
経営者、経営企画、マーケッター、製品開発などの方々に是非とも読んでもらいたい一冊です。
破壊的イノベーションは、既存顧客の要望の外からやってきます。
「自分たちの商売は将来、新参者に食われるだろう。しかもそれが誰なのかは、現時点ではわからない。顧客に聞いてもわからない」
このような世界で、企業はどうやって衰退を防げばよいのか?それを学ぶことができます!
内容を簡単にご紹介
最初はローエンドの品質から始まるが、徐々に品質改善され、やがて顧客の要求水準を満たすようになってしまう。すると、従来型の製品/を駆逐してしまう。これを破壊的イノベーションと呼びます。
本書では、ハードディスク、鉄鋼、電気自動車などの市場を、破壊的イノベーションの具体例として挙げています。
図解:破壊的イノベーション
恐ろしいことに、従来型の製品/サービスが「まともな改善」をしても、破壊的イノベーションに対抗するのは難しいとされています。
これを防ぐには、持続的イノベーション側が、別組織を作るなどして、「自ら破壊的イノベーションを作ること」と説いています。ただしこれは非常に多くの困難を伴う作業です。
読んでみての感想
破壊的イノベーションは予測もしない方向からやってくる。企業人としてこんなに恐ろしいことは無いです。
しかし、企業の寿命は30年と言いますから、既存の事業はいつか誰かに取って代わられる。このように緊張感持って仕事をするしかないのでしょうね。